過払い金を知るために引き直し計算をマスターしよう
過払い金請求の引き直し計算をするためには、過払い金が発生する仕組みなど、基本的知識をしっかり把握しておくことが大切です。
また、引き直し計算の目的や注意点なども知っておいて損することはありません。 今回はこのような引き直し計算に関する基本知識や、自分で計算する際の重要ポイントなどを紹介します。
専門家に依頼する方、自分で過払い金請求する方の両者ともに役立つ情報なので、実際に引き直し計算をする際の参考にしてみて下さい。
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もくじ(メニュー)
- 3)自分で引き直し計算をして過払い金請求をする際のポイント
- 3-1:自分で引き直し計算をやる際の注意点
- 3-2:自分でやる場合はソフトを使う
- 3-3:引き直し計算無料ソフトのまとめ
- 3-4:面倒な方は代行サービスを利用する
- 4)まとめ
過払い金を知るために必要な引き直し計算とは?
過払い金が発生する仕組み
消費者金融やクレジットカード会社などが、定められた以上の金利を設定して利息を余分に受け取っていたことがありました。
お金を借りる時には利息がかかりますが、それを定めた法律には金利の上限を15~25%としている利息制限法と、金利の上限を29.2%としている出資法の2つがあります。 ほとんどの消費者金融やクレジットカード会社は利息制限法の上限金利以上の金利を設定しても刑事罰が科せられなかったことから、刑事罰が科せられる可能性がある出資法の上限に近い金利を違法に設定していました。
この利息制限法以上、出資法未満で設定されていた金利がグレーゾーン金利と呼ばれています。 グレーゾーン金利で支払っていた利息は自動的に返還されるわけではなく、自分で過払い金の返還を求める必要があり、一般的に過払い金請求と呼ばれています。
過払い金請求を行う場合にはグレーゾーン金利で実際に払っていた利息と、本来の利息制限法に即した金利だった場合に支払わなければいけなかった利息との差額を計算し、返還を求めなければいけません。
これが引き直し計算と呼ばれていて、大まかな過払い金の額を知ることができます。
引き直し計算とは?
実際に過払い金請求を行った場合、どれだけの過払い金があるのか知る方法が引き直し計算です。 現在ではネット上にも無料で利用できる引き直し計算ができるソフトも多くありますが、引き直し計算がどのような仕組みになっているのかを理解しておきましょう。
まず、10万円を借りたとします。 その時に出資法の上限である29.2%のグレーゾーン金利でお金を借りた場合、1年間借りていることで生じる利息は29200円となります。 それに対し10万円の借入を行った場合の利息制限法での金利は「10万円以上100万円未満」の借入の場合の18%となり、1年間借りていたことで生じる利息は18000円です。
この2つの金利を計算すると29200円ー18000円=11200円となり、本来支払う必要がなかった11200円の金利を余分に支払っていることがわかります。 この11200円の返還を求めることが、過払い金請求となります。
しかし、このように簡単に引き直し計算ができる借入を行っている人はほとんどいないでしょう。 返済や追加での借入を行っていた場合には計算がややこしくなってしまいますので、手軽に計算できる引き直し計算ができるソフトを利用したり、弁護士や司法書士に相談してみると良いでしょう。
過払い金請求をする時は引き直し計算を必ず行う
過払い金請求において引き直し計算は、発生している過払い金を計算するために、必ず行わなければいけません。 利息制限法・出資法・過払い金の発生する仕組みを理解していれば、誰でも簡単に行うことができます。
ただし、分割払いや借入と返済を繰り返しているようなケースは計算が複雑な場合もあります。 自分だけの計算で不安があるときは、過払い金計算無料ソフトや専門業者を利用しましょう。
計算ミスをしたまま過払い金請求を行うと思わぬトラブルになりかねません。 無料ソフトや専門業者など信頼できる計算によって出された金額を元に過払い金請求を行っていきます。 現在は無料で過払い金を行ってくれる事務所も多く存在するので利用してみましょう。
引き直し計算をして過払い金額の目安を知る
取引履歴を取り寄せる
過払い金請求を行なうためには、引き直し計算を行って過払い金を確定させる必要があります。 全ての取引明細を保管している場合には自分ですぐに計算可能です。
手元にない場合は取引履歴を貸金業者に請求しましょう。 貸金業者は最終取引日から10年間は帳簿の保管義務があるので、取引履歴の請求があれば開示する義務を負っています。
貸金業者から取引履歴を取り寄せる方法は、カスタマーセンターへの電話により依頼可能な業者が大半です。 中には、文書による請求が必要となる貸金業者もあるので、カスタマーセンターへ一度連絡すれば、請求方法を教えて貰えます。
注意点として、現在も返済中で残債が残っている場合には、請求理由を聞かれた時に過払い金についての話は避けることが賢明です。 過払いと認識した上で支払っていたと主張され、過払い金請求が出来なくなることがあるからです。
請求理由を聞かれた時には、これまでの取引履歴を整理したいといった当たり障りのない理由にしておくと良いでしょう。 取引履歴の開示には数週間掛かることも多く、費用は掛かりませんが時間を要することに注意しておく必要があります。
引き直し計算をする
過払い金請求を考えている方にとっては、自分にどれくらいの過払い金が発生していることが最大の関心事でしょう。 そのため最初にする作業は、金融業者から取引履歴を取り寄せて引き直し計算をすることです。
過払い金を計算するためには、この計算方法を用いていきます。 一般的に引き直し計算をするためにネットで公開しているソフト等を使いますが、ソフトには無料・有料といくつか種類が存在しています。 そもそも過払い金は、通常の金利とグレーゾーン金利と呼ばれる金利の差額から発生します。
2010年まで貸金業者は貸金の利息上限を定めている利息制限法ではなく、出資法による年利29.2%の金利を適用していました。 出資法の金利を超えない限り、貸金業者に対しての罰則がなかったからです。 利息制限法に定められた法定金利で引き直し計算で利息の総額を計算することで、過払い金請求ができるかどうかがはっきりします。
例えば29%のグレーゾーン金利で100万円借りたならば1年後に利息は29万円となり、借金の総額は129万円です。 しかし10万円以上100万円未満の場合の利息制限法の利息が18%であることを適用すれば、先ほどと違って借金の総額は118万円を支払う計算になります。 差額は11万、つまり1年で11万円分の過払い金が発生するわけです。
取引履歴を基に、引き直し計算ソフトの計算表に借入を行った年月日・借入金額・返済した借金の金額等を入力していきます。 また多くの金融業者では少しでも利息を多く取るために借り入れ初日を算入しますが、原則では借入日に利息発生はありません。
利息は元本残額に利率と期間を乗じた計算をしていきますが、民法によって返済金はまず利息に当てられ残りは元本に当てられることが決まっています。 入力後に元本残額がマイナスになると、過払いが発生することが判断できます。
何度も借入をすることで債務額が変動し過払いになったり、債務超過になったりが繰り返されるのですが、取引履歴の最後の取引まで入力した時点で元本残額がマイナスであれば過払い金請求が可能ということになります。
過払い金が発生しているか気になったら、引き直し計算をしてみる
借金を抱えている方、すでに借金を支払い終えた方など、過払い金請求の対象となる方は意外と多いものです。
過払い金があっても、どこかから通知が来るわけでもなく、自分で気がついて請求する必要があります。 過払い金請求には期限がありますので、自分が対象となっているかどうかという事は早めに確認しておきたいものです。
そこで過払い金請求ができるかどうか気になっている場合は、引き直し計算をしてみましょう。 利息制限法で定められた利息で計算をしてみて、実際に支払った額、請求される額と比較してみることで過払い金があるかどうか確認することができます。
自分で引き直し計算をして過払い金請求をする際のポイント
自分で引き直し計算をやる際の注意点
取引履歴を取り寄せた後は過払い金の計算をしますが、自分で引き直し計算をする際には注意が必要です。 というのも、引き直し計算は利息制限法に従った金利で借金の総額を計算し直す一見とても単純なものですが、返済を何度か分割で行った方、返済途中にさらに借り入れた方など取引が何回も続いた場合は計算が複雑になってきます。
もし、自分で引き直し計算を行って間違った金額を出してしまうと、賃金業者との交渉で返ってくる金額が少なくなるだけでなく、そもそも過払い金の金額が違うので支払えないと貸金業者に拒否されてしまう可能性もあります。
さらに、借金を返済中に過払い金請求をした時に、もし過払い金の金額を間違えてしまうとブラックリストに載ってしまうこともあるので気を付けましょう。 どういうことかというと、返還される過払い金で借金が完済できると思っていたのに、計算間違いで結果的に過払い金が少なくなり、借金が残ってしまうというケースです。
借金を返済中に過払い金請求をして債務が残ってしまった場合、債務整理と呼ばれる、貸金業者に交渉し借金の減額を申し出る手続きになってしまい、信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストに載る)ことになります。
自分でやる場合はソフトを使う
過払い金請求をする前に、まずは自分に過払い金がいくら発生しているのか計算する必要があります。 そのためには引き直し計算をして、本来支払うべきだった利息の総額を計算し、実際に払い過ぎた利息がいくらになるのか算出していきます。
ですが、この引き直し計算は自分でやるととても大変ですので、ソフトを利用する方が良いでしょう。 引き直し計算ソフトは有料無料と色々あります。
引き直し計算無料ソフトのまとめ
過払い金請求をするために必要な引き直し計算は自分で行うのはとても大変ですので、計算ソフトを利用することがお勧めです。 有料無料と様々なソフトがありますが、まずは無料の定番ソフトを利用してみるのがいいでしょう。
特に有名なものですと、名古屋消費者信用問題研究会が提供している「名古屋式」と呼ばれる引き直し計算ソフトです。 名古屋消費者信用問題研究会とは、愛知県近辺の弁護士数十名が消費者の権利を守るために設立した団体で、計算ソフトはこの団体が運営するウェブサイトから入手することができます。
引き直し計算ができるExcel用テンプレートをダウンロードし、その使い方も同サイトに掲載されていますので、初心者の方は特にお勧めです。 取引履歴を見ながら取引日と借入金額、取引日と返済金額を入力するだけで、大まかな過払い金を算出することができます。
次に定番の計算ソフトは、アドリテム司法書士法人が提供する「外山式」と呼ばれる計算ソフトです。 司法書士の外山敦之先生のウェブサイトから、利息計算ソフトというExcel用テンプレートを使用して過払い金額が計算できます。 外山式も名古屋式と同様に、取引日と借入金額などを入力していきます。
面倒な方は代行サービスを利用する
自分で引き直し計算をするのが面倒だという方には、代行サービスを利用することがお勧めです。
法律事務所の多くはこの代行サービスを行っており、賃金業者一社あたり千円から二千円前後で引き受けてくれますので、安く手軽にそして正確に過払い金を算出してもらうことができます。
特に過払い金請求をする時に、間違った引き直し計算で過払い金を算出してしまい、いざ請求しても賃金業者に金額が間違っているからと支払いを拒否されることがあります。
特に自分で計算を行う場合、遅延損害金の扱い方など専門的知識がないために間違った計算をしてしまうことが多々ありますので、確実に過払い金を算出したい場合は専門家に依頼することが大切です。
まとめ
引き直し計算は過払い金の発生する仕組みや利息制限法と出資法を理解していれば、自分でも行うことができる過払い金の計算方法です。 計算した過払い金の金額によって、過払い金請求を行うべきか判断することもできます。
自分で計算をして過払い金請求を行う場合は、ミスのない計算が非常に重要です。 ミスをしてしまえば、取り戻す過払い金が少なくなることもあります。 最悪の場合、賃金業者が交渉を行ってくれない事態にもなりかねません。 分割払いや借入と返済を繰り返しているようなケースは非常に複雑な計算となります。自分で行う計算はあくまでも目安と考えましょう。
過払い金請求前には、必ず無料過払い金計算ソフトや無料で計算を行ってくれる専門業者を利用した方が良いでしょう。
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